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失すということ。
病気になって、失ったものは増えた。
あきらめたものも、あった。
手放さなければならなかった、夢もあった。

そして、失うものは、病気によって失くしたものでも、人によってそれぞれなのではないだろうか。
ある人は、事故で足を切断しなければならない事態だったり、ある女性では、乳がんで切除しなければならなかったりするだろう。
そして、求めるものも、行き先も、また人それぞれだという事を、ここで再度、確認しておかなくてはならないと思う。

私の場合、それが夢であり、女性としての機能であり、歩くことであり、息をすることであり、体の機能であり、子どもらしさを失う事であった。

良く聞く、「病気になったから、得たものがある。」というような言葉を、よく耳にする。
そして同じように、「病気になって良かった。病気に感謝している。」という言葉も同じくらい聞く言葉である。

そんな話を耳にする度に、そう思っている人たちの事を、心から尊敬してしまう。
私には、何年付き合っても、決してそうは思えないであろうから。
確かに私だって、病気が全て不幸だとは思っていない。病気だったからこそ、今の自分が存在していると思っているし、感謝もしている。同時に、病気であったからこそ、出会えた大切な人たちもいたわけだ。

しかし、病気は私から夢を奪った。そして今、生きる行為すら奪おうとしている。
その現実の中で生きる事が、どんなに苦しくて辛いものであるか。

「病気になって良かった。」
という言葉は、病を克服し、あるいはうまく共生しているからこそ、生まれる言葉であり、言える言葉なのだと未熟な私は、思う。


私の人生は、病気と共に生き、向き合ってきた。
しかし、その人生の全てが、病気や障害に埋め尽くされたわけでは、決してない。
あくまでも、病気や障害は、私自身の一部と思っている。
私は、寝たきりの女の子でもないし、車椅子の障害児でもない。
難病を背負いながら生き、寝たきり生活を送る、一個人だと思っている。

病気や障害で失うものは、人それぞれだろう。
そして、その捉え方も十人十色で、いい。
求めるニーズも、違う。

何かを失うという事は、それまでの本来の自分を失うということでもある。
私は、車椅子になり、寝たきりとなってから、自分というものを、失いそうになりながら、病気の後をついていくので、精いっぱいな日常を送っている。

決してそれが不幸だとか、不幸せだと思っているわけでは、ない。そう思った事も、ない。
ただ、そういう現実の中で、生きる事が、辛く、時には投げ出しになりたい時だって、存在する。

病気になったのは、確かに不運な出来事だった。
だけど、その事を不幸だと意識した事は、一度もない。
私は不幸に育てられた訳ではない。逆に、病気であったからこそ、親には健康な子どもに注ぐ愛情より、より深く強い愛情を受けたと自覚しているし、祖父母も私の誕生を心より楽しみに、そして大切に育ててきてくれた。
その恩は、私が生きている間に、きっと返せるだけの大きさではないだろう。
病気は私から、たくさんのものを奪い、あきらめさせ、人生に失望を与え、この世の絶望すらを見させた。
幼くして、意識しなくてもいい、死に対しても、深く見つめる機会を与えた。

人生を悟るのは、もっと先でいい。
死を語るのは、もっともっと先でいい。

それらは、10や20で語れるものではないと思う。
語るものでも、ないと思う。
人生について、生について語るのは、これから先の人生勉強の中で、学んでいくことだと思っている。
学んでいくべきだと思っている。

病気と向き合うという事は、想像をはるかに超えた、己との闘いである。

ある主治医が言っていた。
「病気になって良かったと思ってはいけません。病気は憎むべき存在です。それを受け入れてはいけないのです。」
あの先生の言葉を今、深く噛み締めている。

闘うのではなく、向き合うのだと。
受け入れるのではなく、見つめるのだと。

病気が運んでくれた出会い。それは大切にしたい。
しかし、痛みや苦しみや悲しみは、どこかに行けばいい。病気によって得たものがある一方で、失うものの方が、はるか多かった。


私に病気になって良かったと悟れる日は、来るだろうか。それはきっと、もっともっと遠い日の事になるかもしれない。

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【2007/06/07 01:51 】 | 想うこと | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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